今回は夏の花・百合をお届けします。
自然教育園ではヤマユリ(山百合)を、皇居東御苑ではオニユリ(鬼百合)を撮影しました。
皇居東御苑でもヤマユリをと思ったのですが、盛りを過ぎていたため残念でした。
ヤマユリ(山百合)

山麓や山地に生えることからヤマユリと名づけられました。
大輪系の百合の園芸品種の母種でもあります。地下の鱗茎は食用になります。
発芽から開花までには少なくとも5年以上かかり、また株が古いほど多くの花をつけます。
風貌が豪華で華麗であることから、『ユリの王様』と呼ばれます。

ヤマユリは別名の多いユリとしても有名です。山地で見られるので地名が付けられていますね。
カントウユリ(関東百合)、カマクラユリ(鎌倉百合)、ハコネユリ(箱根百合)、ホウライジユリ(鳳来寺百合)、エイザンユリ(叡山百合)、トウノミネユリ(多武峰百合)、ヨシノユリ(吉野百合)、スジユリ(筋百合)、キンセンユリ、シロユリ(白百合)、コウユリ(香百合)、ニオイユリ(匂い百合)、リョウリユリ(料理百合)、キツネユリ(狐百合)
ユリの花を見るとこんなふうに撮影したくなりませんか?
まさに野に咲く白い星です。

宮沢賢治の短歌に次の作品があります。
「いなびかり またむらさきに ひらめけば
わが白百合は 思ひきり咲けり」 歌稿A193
オニユリ(鬼百合) 別名:テンガイユリ(天蓋百合)

オニユリヒメユリに対して大きいことからとか、花の色や形から赤鬼を連想させることから「鬼百合」といわれます。
実はできませんが、球根(鱗茎)やムカゴ(珠芽)で増えます。
オニユリは中国からの渡来種として考えられていて、球根(鱗茎)が凶作時の非常食として重用されたことから、日本全国に分布するようになったと考えられています。

別名のテンガイユリの名は、花のうつむいた姿を天蓋(てんがい:仏像などの上から吊るす傘のようなもの)にたとえて名づけられたといいます。
やっぱり、ユリですからね。同じように見なくっちゃ!
野に咲く赤い星です。

宮沢賢治の作品に次の詩があります。
〔いなびかり雲にみなぎり〕 補遺詩篇 II (歌稿〔B〕)
いなびかり雲にみなぎり
みちはこれま青き運河
みじろがず雪より白く
鬼百合の花はいかれり
宮沢賢治の作品には「四又の百合」や「ガドルフの百合」、詩や短歌にも百合が出てくる作品があります。
花をたよりに作品を感じてみるというのも楽しみの一つかと思います。
私の一句
「鬼百合の 鬼というほど 恐からず」
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