始めに言っておきます。
以下の内容は、川島なお美さんとほぼ同じ胆のうがんで母親を亡くした男の私的見解です。
後半はこれまでの人生の中で出会った人の体験などから述べています。
医学的にどうとか、そういったものではなく、悪魔で経験談から思うことだと了承できる方以外は読まないでください。
女優の川島なお美さんが9/24 肝内胆管がんで亡くなられました。
直後から、抗がん剤を使用せず、民間療法(食事療法、その他)に頼ったことについて様々な意見が述べられていますが、多くは抗がん剤を使わなかったことへの否定的見解です。
しかし、私の考えは、使わなかったことで、余命1年の宣告を受けた13年7月から2年以上も生きられたのだと思っています。
その理由ですが、私の母が胆のうがんと告知されてからのことからお話します。
母が胆のうがんで余命半年と宣告を受けた時、「このがんは非常に発見されにくく、肝臓や肝動脈の直ぐ側なので手術も非常に危険で難しいがんです。抗がん剤も使えますが、効果はほとんど期待できません。治すというよりも延命できるかどうかです」と言われました。
それでも、一縷の望みを託して抗がん剤を使用しました。
その結果、副作用による吐き気が日に日に激しくなり、取れていた食事ができなくなりました。
次第に体力が低下し、一人で体を起こすのもきつくなっていきました。
そして、告知から2ヶ月半後、お見舞いに行き、夕方に「また明日くるから」「ありがとう」の会話が私との最後の会話となり、わずか数時間後に危篤状態に陥り、次の日の明け方に息を引き取りました。
ここで思うのは、もし抗がん剤を使っていなかったら、副作用の吐き気もなかっただろうし、食事ができていたら体力の低下も抑えられ、もう少しは長く生きられたのではないか。
今思ってもしかたのないことですが。
川島なお美さんに戻ります。
余命1年の宣告をされたということは、寛解はすでに厳しい状態であったということ。
母親とほぼ同じがんなので、抗がん剤も効果を期待できないと聞かされていたはずです。
さらに、効果が期待できないのに副作用は考えられるとも。
副作用の出方は人それぞれなのでどのように出るかはわかりませんが、女優として生きたいと願う川島なお美さんにとっては受け入れられないものだったと思います。
そして、抗がん剤は使わないという決断に至ったのでしょう。
それでも14年1月に手術出来たことは幸いだったと思います。
抗がん剤を使わなかったことは「拒否」ではなく、一つの「選択」です。「生き方」です。
川島なお美さんは最後まで女優として舞台に上がり続けるという強い意志があったからこそ、抗がん剤を使わずに余命1年の宣告を越え、2年も生きられたのだと私は思います。
抗がん剤を使っていたらもっと生きられたと誰が言えますか?証明できますか?
抗がん剤を使っていたら副作用や体力の低下で1年持たなかった可能性も否定できません。
それを抗がん剤を使わなかったのは間違いだのような発言は、死者を罵倒している愚かな行為としか私には思えません。
自分ががん告知され、余命を宣告された時、どのように受け止め、どのような選択肢を選べますか?
どれが正しい選択肢かなんて言えますか?
正しい選択肢なんてあるわけがありません。
抗がん剤を使うことだけが正しいのではなく、様々な選択肢の中で、効果が期待できないがんであれば使わないという選択肢を選んだということです。
余命を宣告され、日々そのカウントダウンが進むのをしっかりと受け止め、女優としてのフィナーレまでを演出したのだと思います。
その姿は誰に真似できるのでしょうか。
誰に否定する権利があるのでしょうか。
素晴らしい勇気だと思います。
鎧塚俊彦さんは残念でしょうが、よくそれを受け入れ、寄り添ったと尊敬します。
抗がん剤の使用が悪いとはいいません。
効果が期待できるなら使えばいいし、手術もすればいいと思います。
北斗晶さんのように、手術し様々な治療法で挑むことだっていいんです。
期待できなければ、残りをどう生きるかはそれぞれの選択があっていいのです。
本人ががんをどのように受け止め、どのように向き合うか、それだけなんです。
他人がとやかく言うことではないんです。
他人がすることは見守り祈る以外にないんです。
川島なお美さんの抗がん剤を使わなかったのは拒否ではなく、選択と伝えて欲しいと思います。まだ続きます。
抗がん剤を使わずに民間療法で、特に食事療法を選んでいたようですね。
食事療法は治療じゃないという人がいますが、よく考えてください。
風邪をひいたら卵酒や生姜湯を飲む、これだって立派な食事療法ですよ。
そして、
「人間の体はすべて口から取り入れたもので成り立っている」ということを。
つまり、遺伝子レベルから発生する確率が高いと認められた病気を除き、病気も基本は食べたものが影響して作られると私は思います。
食べたものだけでなく、環境的な要因もありますが、大きな比重を占めているのは食べたものであろうと思います。
食べたものが影響して病気が出来たとなれば、これまでの食生活を見なおして、食事療法で対処しようとするのも選択肢と思います。
ただ、がんなどではすぐに効果がみられないことが多いので、食事でがんは治らないと言われてしまいます。
でも、よく考えてください。
がんは、体内に出来てから見つかるまでにどれぐらいの年数が経っているのでしょうか?
1日や2日ではありません。
数ヶ月、数年、場合によっては10年以上経ってようやく見つかる大きさになっているのです。
その間に食べてきたものの影響をなくすとすれば、食生活を少し変えたぐらいでは大雑把に言ってしまえば見つかるまでと同じ年数かかると考えられるでしょう。
より劇的に変えたとしても、切り傷が治るように数日で治るということは難しいでしょう。
ましてや、体力が低下していく中で女優として舞台に上がれば、疲労の回復と病気の回復という両方を食事療法で維持していくのは難しかったことでしょう。
ただそれだけのことです。
食事療法だって、自分に合う合わないがありますので、どのように何を食べるかが重要ですが、食べ方や食べ物を考え、がんを克服された方も大勢いるので、食事療法も否定するものではないと思います。
書いているうちに考えがあっちへこっちへと飛んでしまって、ややまとまりに欠いているかもしれませんのでまとめます。
川島なお美さんの死をきっかけに少し考えてみませんか?
病気になったら薬が一番というのもいいですが、それが全てではないと楽に考えませんか?
いろいろな選択肢を探すこと
自分と違う選択をした人を認めること
それを今の日本人はすっかり忘れてしまっているように思います。
「この道しかない」のではなく、
「この道もあるし、あっちの道もある」に考え方を変えていきませんか?