7/29の夕暮れ。
ISS(国際宇宙ステーション)の撮影に林試の森に行きました。
夏の夕暮れといえば、セミが羽化い始める時間。
撮影場所に行く途中、地中から這い出してきて羽化しようとしている蝉の幼虫はいないかなぁと見回しながら歩いていました。
毎年夏になると毎日のように抜け殻がぶら下がっているロープ柵をチェックすると、ロープを繋ぐ杭の上をミンミンゼミの幼虫が歩いているのを発見しました。

ウロチョロしているのでうかを始めるまでにまだ時間があるなぁ。
羽化する場所を見つけてから羽化し始めるまで10分ぐらいで、抜け出るまでに1時間ぐらいかかるから運が良ければISS(国際宇宙ステーション)の撮影を終えたあとに羽化しているところが見られるかもなぁと思っていました。
そして無事にISSが北斗七星を横切るところを撮影。
その写真は
銀河鉄道の月 2016年7月29日 北斗七星とISS(国際宇宙ステーション) を御覧ください。
撮影を終えての帰り道。さっきの幼虫はどこだぁと探したのですが、姿が見えないので、かなり移動したか、ちびっ子に見つかって持ち帰られたか?なんて思いながら念入りに探すと、先ほどの杭の後ろに止まって背中が割れてちょうど羽化し始めたところでした。

うかは半分以上進んでいてもおかしくないのに、このタイミングで羽化し始めたということは私を待っていてくれたとしか思えないので、お腹が空いて帰ろうとしていた足を止め、どっしりと腰を据えて、写真を撮ることにしました。
ISSで使用した一眼は写真の枚数も多く、広角レンズだったので、セミを大きく撮影するには不向き。念のため持ってきていたCASIO EXILIMで連続撮影することにしました。
久しぶりにEXILIMでの連続撮影で設定どうするんだったかとまごついている間に背中の割れがどんどん大きくなってきて焦るばかり。
それでもなんとか設定して、20:08から、抜け出で羽根を伸ばし終えるまで30秒間隔で連続撮影開始。
抜け出て羽が伸びた21:00までの約52分(3120秒)を30秒の動画にしました。
抜け出て、羽が伸びてきたところで画面からはみ出してしまったのは残念ですが、お楽しみいただけたかと思います。
セミは日が傾いてくると土の中から這い出ようと様子をうかがいながら、穴を開け始めます。
地中にいながら日の傾きを感じるのは地温の変化を敏感に感じ取ってるのでしょうね。
この時から危険が迫ります。土の中でもぞもぞし始めると、その振動を感じとったカラスがくちばしでつついてセミの幼虫を食べてしまいます。
無事に地上に出て、カラスから逃れた幼虫も気が抜けません。
羽化する場所を定め、じっとしてから抜け出て体が乾くまでの長い時間も危険がつきもの。
アリの通り道に定めてしまったり、たまたま1匹のアリに見つけられてしまうと、抜け出し始めた柔らかい体にアリの口が容赦なく突き刺さり、抵抗するすべがないセミはあえなく食い破られて絶命してしまうんです。
ほんとに命を賭けた羽化なんですよ。
風の強い日や大雨の日はあまり見られず、その翌日は2日分のセミが羽化するからなのかたくさん見られるそうですよ。
セミの羽化は8月の上旬がピークなのでお盆ぐらいまでに探してみてください。
桜の木の周りや、地上に穴がたくさん開いているところを見つけたらその付近を中心に探せば見つかると思いますよ。
この日の撮影中、カブトムシを取りに来たという親子に話しかけられたり、「セミが出てきた時は白いんだ。初めて見た」という彼女を連れたカップルに話しかけられたりしました。
結構、しゃがみこんでいる私が何を撮影しているか気にする人はいるんですよね。
そんな中でも、暗い林試の森内をスマホ画面をじっと見て歩くポケモン奴隷が何人も通り過ぎていきましたが、こういう人たちは周りが何をしているかってなんにも気にしないんですよね。
そんな仮想空間の生き物よりもこの現実に生きてる生の力強さを見ろよと言いたいところでしたが、言っても仕方ないなので、ぶつかってくれるなよとだけ思っていました。
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