今回から新宿御苑の薔薇をしばらくお届けします。
バラにはいろいろな賞が存在するのですが、そのなかでも最も権威があるのが「バラの栄誉の殿堂」です。
バラの栄誉の殿堂とは、3年に1度の世界ばら会連合世界大会で1〜2品種が選ばれる、とても名誉ある賞です。
これらの品種は、世界中のどの環境でも育てやすく、人類普遍の美意識から選ばれた薔薇のかなの薔薇たちです。
殿堂入り年、品種
第1回 1971年 ニュー・ジーランド ハミルトン大会 なし
第2回 1973年 アメリカ合衆国 シカゴ大会 なし
第3回 1976年 イギリス オックスフォード大会 「ピース」
第4回 1978年 南アフリカ プレトリア大会 「クィーン エリザベス」
第5回 1981年 イスラエル エルサレム 国大会 「フレグラント クラウド【ドフトボルケ】」
第6回 1983年 ドイツ バーデンバーデン大会 「アイスバーグ (シュネービッチェン)」
第7回 1985年 カナダ トロント大会 「ダブル デライト」
第8回 1988年 オーストラリア シドニー大会 「パパ メイアン」
第9回 1991年 イギリス ベルファースト大会 「パスカリ」
第10回 1994年 ニュー・ジーランド クライストチャーチ大会 「ジャスト ジョーイ【ジャストジョイ】」
第11回 1997年 ベネルクス3国大会 「ニュー ドーン」
第12回 2000年 アメリカ合衆国 ヒューストン大会 「イングリッド バーグマン」
第13回 2003年 イギリス グラスゴー大会 「ボニカ’82」
第14回 2006年 日本 大阪大会 「ピエール ド ロンサール」「エリナ」
第15回 2008年 カナダ バンクーバー大会 「グラハム トーマス」

新宿御苑には約100種500株の色とりどりのバラが咲き誇っているのですが、その中には世界バラ会連合の「バラの栄誉の殿堂」に選ばれているバラも咲いています。このうち、新宿御苑に咲いているバラは左の8種類。今回と次回の2回に渡って上から4品種ずつご紹介します。

「ピース(Peace)」
1945年 フランス、メイアン作出
フランスでの呼び名は「マダム アントワーヌ メイヤン」
作出者の母クラウディアに捧げたバラです。
ちょうど第二次世界大戦の時代に作出されたバラで、平和の尊さ、平和への願いを込め「ピース」と命名されました。
1976年 世界バラ会連合の「バラの栄誉の殿堂」
鮮やかに咲くピースを、平和への思いを込めながらカーソルを乗せてご覧ください。


クイーン・エリザベス(Queen Elizabeth)
1954年 アメリカ、ラマーツ作出
花の名前は作出された年の前年1953年に戴冠式を挙げたイギリスの女王エリザベス二世の名前にちなんでいます。
1955年AARS受賞、他5つの国際コンクール受賞と数多くのコンクールに入賞している薄いピンクの銘花
1979年 世界バラ会連合の「バラの栄誉の殿堂」

この「クイーン・エリザベス」は昨年は咲いていなかったように思うので、ここ数年のうちに植えられたものと思います。
それでも綺麗に花を咲かせてくれて、花の強さにも感心しますが、手入れしてくださっている方々に感謝です。
カーソルを乗せてご覧ください。

フラグラント クラウド(Fragrant Cloud)
1967年 ドイツ、タンタウ作出
花名は「香る雲」という意味です。
別名:ドフトボルケ(Duftwolke)、ヌアージュ・パルフュメ(Nuage Parfume)、タネリス(Tanellis)
どれも香りを表しているらしい名前のとおり、強香性で勢い良く成長する。
1963年NRS英国ばら会賞金賞、1967年PORTLANDポートランド国際コンクール金賞など数多くの賞を受賞している名花。
フレグラント クラウドと呼ぶことのほうが多い。
1981年 世界バラ会連合の「バラの栄誉の殿堂」
この日はわずか1輪だけの開花でしたが、存在感はありました。


シュネービッチェン(Schneewittchen)
1958年 ドイツ、コルデス作出
ドイツ語で「白雪姫」の意味。
別名「アイスバーグ」(こちらの方で呼ばれることが多い)と呼ばれ、氷山という意味
ずいぶんとイメージが違いますよね。
1958年にNRS賞、バーデンバーデン金賞を受賞
1983年 世界バラ会連合の「バラの栄誉の殿堂」
まとまって咲く状態を見るのと、一花一花を見るのとでイメージが違うので名前の違いはこういうことなのかもしれません。
カーソルを乗せてご覧ください。

今回はここまでです。
次回をお楽しみに。
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