ソメイヨシノが散っていた先週、その散る桜を追ってきました。
まずは目黒川の桜。
目黒川は都内有数の汚い川として名を馳せましたが、最近は水質もかなり改善し、大橋付近から東京湾に注ぐ辺りまで両岸には桜が植えられていて、中目黒付近では周囲の飲食店が露店を出すなどもあって、都内有数のお花見スポットとなっているんです。
お花見は東急目黒線目黒駅側から遡って戻ってくるのが私のお花見コース。
権之助坂を下ったところにある太鼓橋から眺めました。
桜もだいぶ散って、川を流れていました。桜が流れに押されていますね。
でも、おかしいですね。何が?でしょ。
この写真に図を入れてみたのでおかしな点がわかりましたか?
下流から上流に向かって流れているんですよ。
さらに上流側に行って、目黒区民センター前のふれあい橋から下流を眺めてみると、やはり桜が流れていました。
ちょっとわかりにくいので流れる桜にズームインして、また図示してみました。
やはり下流から上流へと流れているんですよ。
さて、どうして下流から上流へと桜が上っているのでしょうか?
鮎や鮭のように故郷の川の上流を目指しているのではないし、鯉のように滝のぼりするわけでもありません。
じつはこれ、海の干満の影響なんです。
目黒川は潮の干満の影響を大きく受ける感潮河川で、中目黒駅近くの田楽橋付近まで流れが逆行するんです。
この時、目黒川が注ぎ込む東京湾はあと1時間ぐらいで満潮を迎える満ち潮の時間だったので、川が逆行しその流れに乗って桜が遡上していたというわけなんです。
さてさて、同じふれあい橋から今度は上流方向を見てみると、満ち潮で逆流しているはずの桜が横に広がって淀んでいるように止まっています。
よく見てみると、上流からの川の流れと、下流からの潮の遡上がぶつかりあって、やや上流側の流れが勝っている感じでした。
このあとどうなるかなぁと見ていたら、川の奥の方では潮の変化が敏感なのか、満潮時間よりも早いのですが、上流から下流へと流れ始めました。
このぶつかったところが流れ始めたのでふれあい橋の下流側で見ていたら、面白い形になりました。
川の流れを観察した結果を図示すると次のようになります。
潮の遡上は真ん中ほど流れが強く、壁側は流れが弱く(先程の桜の遡上が中央付近が上流に向かって弧を描いているのもそのため)、上流からは川全体での流れの力が強まっていて、力の差が大きい壁付近ほど早く下流へと流れるので真ん中がへこんだM字型になって流れているようでした。
このまま追いかけていったら、この形はどうなったでしょうね。
実はまた別の日に目黒川を流れる桜を見に行ったのですが、その時は圧巻!
それはまた別の記事で。
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中目黒から東京湾まで3kmぐらいありますけど、流れがゆっくりですし、川底もコンクリートですから、逆流しやすい構造だと思います。
知っている人はそう多くはないと思います。
アマゾン川などでは水の色が変わって海水と真水の差がはっきりとわかる規模で遡上していますよね。
自然のダイナミクスを感じます。