いじめられる辛さ・苦しさはいじめられた人でないと絶対にわかりません。
その時だけでなく、その後にも大きな影響を及ぼすということをまずは大人が肝に銘じ、子供に対応しないと行けません。
100万も奢らせていじめではないというバカな教育委員会もありますが、それは今回紹介する宮沢賢治の童話の終わりの方にある文章のとおりだと思います。
教師も教育委員会もしっかり読めよ、という気持ちでお届けします。
「猫の事務所」
宮沢賢治 作
植垣歩子 絵
三起商行
軽便鉄道の停車場のちかくに猫のための歴史と地理を調べる猫の第六事務所がありました。
そこには大きな黒猫の事務長、一番書記の白猫、二番書記の虎猫、三番書記の三毛猫、そして、四番書記のかま猫がいました。
かま猫というのは、これは生れつきではありません。
生れつきは何猫でもいいのですが、夜かまどの中に入ってねむる癖があるために、いつでもからだがすすできたなく、ことに鼻と耳にはまっくろにすみがついて、何だか狸(たぬき)のやうな猫のことを言うのです。
ですから、かま猫は、ほかの猫には嫌われます。
(まさに、いわれなきいじめを受けるのです)
かま猫は三人の書記にいじめられながらも、なんとかみんなによく思われようといろいろ工夫しましたが、どうもかえっていけませんでした。
みんなのためにとやればやるほど、他の猫が面白くなく、かま猫にいちいち突っかかっていきます。
それでも事務局長の黒猫がかばってくれてなんとか頑張っていました。
しかし、かま猫が風邪をひいて事務所を休んだ日、三人の書記の讒言により、黒猫までもがかま猫を憎むようになり、かま猫は仕事を取上げられてしまいます。
かま猫は悲しくてしくしく泣き始めました。
その様子を外から見ていた獅子が・・・
最後はどうなるか読んでください。
いじめにいいいじめなど存在しません。
大人はじっくりと腰を据えて対応してもらいたいと思います。
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