今年の最初は宮沢賢治の童話からお届けします。
「氷河鼠の毛皮」
宮沢賢治 作
堀川理万子 絵
三起商行
このおはなしは、氷がひとでや海月やさまざまのお菓子の形をしている位寒い北の方から飛ばされてやって来たのです。12月26日の夜8時ベーリング行の列車に乗ってイーハトヴを発った人たちが、どんな眼にあったか、きっとどなたも知りたいでしょう。これはそのおはなしです・・・・・・。
こんな冒頭で始まります。
鉄砲を持った顔の赤い太った紳士や、赤ひげの男、船乗りらしき若者など、15人ほどの乗客が、一つの車両にいました。
太った紳士が、役人のような紳士に、自分が来ている毛皮の話を始めました。
ラッコ裏の内外套、ビーバーの中外套、黒狐の表裏の外外套、氷河鼠の頸のとこの毛皮だけで作った上着…。
そして、今回は、黒狐の毛皮を900枚取ってくると、賭けをしたのだと話しました。
そのうち、太った紳士は、お酒を飲んで、くだを巻き始めました。
夜が明けた頃、汽車が突然止まって…。
この先はなんとも不思議なお話。
厳しく冷たい冬の自然の見事な描写と相まって、そこで生きる動物たちが傲慢な人間たちへ投げかける警告。
今の人間が真摯に向き合わなければならない問題を叩きつけているようです。
小さなお子さんにはちょっと難しいかもしれませんが、読んでみて下さい。
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