以前にも紹介しましたが、今回はポケット版です。
「14ひきのかぼちゃ」
いわむらかずお 作・絵
童心社
かぼちゃの種を「いのちのつぶだよ」というおじいちゃんの言葉から始まり、14ひきのネズミの大家族が力を合わせてかぼちゃを育て始めます。
みんなで力を合わせて土を耕し、種をまき、芽が出るのを心待ちにします。
やがて発芽し、「うまれたよ」
どんどん成長して、虫がつかないように、風雨の被害を受けないようにと、みんなで見守ります。
花が咲き、実がなり始め、「かぼちゃん」と名付け、いっそう大事に見守り、月も花もあおがえるもそっと見守ってくれます。
すずしい風が吹き始めた頃、みんなで力を合わせて大きく実ったかぼちゃの収穫です。
中をくりぬいて、よいしょよいしょと巣に運んで、かぼちゃコロッケ、かぼちゃまんじゅう、につけ、スープ……とたくさんの料理を作り、14匹そろっての一家団らんの食事には温か味がたっぷり。食事風景には、幸福が満ちあふれています。
自然と触れ合い、苦労あっての喜びを分かち合う生活本来の営みを、14ひきが教えてくれるかのようです。
この絵本は冒頭に「命の粒だよ」と説明してくれたおじいちゃんの言葉がすべてなんじゃないかと思います。
きっと野菜嫌いな子供たちも作り育て、収穫することの喜びを知ったら、物を食べているんだという心から命を頂いているんだという心に変わるのではないでしょうか。かぼちゃやキャベツは半分や4分の1の格好で実らないことを知るだろうし、食べることへの想いが変化して少しずつ食べ始めるのではないでしょうか。
そんなことも教えてくれる素敵な絵本です。
これからの実りの秋を前に家族で一緒に読みあって下さい。
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