2014年05月12日

おきなぐさ

今年もなんとか出会えたうずのしゅげ、いやいや、おきなぐさです。

「うずのしゅげ」というのは宮沢賢治の童話「おきなぐさ」の冒頭に出てきます。



『おきなぐさ』  宮沢賢治

うずのしゅげを知っていますか。 
うずのしゅげは、植物学では、おきなぐさと呼ばれますが、おきなぐさという名はなんだかあのやさしい若い花をあらわさないようにおもいます。
そんならうずのしゅげとはなんのことかと言われても私にはわかったようなまたわからないような気がします。


おきなぐさそのおきなぐさ、ゴールデンウィーク中に小石川植物園でかろうじて出会うことが出来ました。
終わりかけの花と、花が終わり、うずのしゅげになる手前のおきなぐさでした。


これが花から綿毛になろうとしているおきなぐさ。
綿毛になる手前のおきなぐさ

綿毛の盛り、うずのしゅげの状態を過ぎもう疲れてしまったおきなぐさです。
疲れたうずのしゅげ

花が終わって、シルバーグレイになった状態(このあと、ふわふわのうずのしゅげ状態になります)のおきなぐさは野の花火のように見えます。
花火のようなおきなぐさ

『おきなぐさ』では蟻(あり)がおきなぐさの花を見上げて会話しています。


この花の下を終始往ったり来たりする蟻に私はたずねます。
「おまえはうずのしゅげはすきかい、きらいかい。」
 蟻は活撥に答えます。
「大すきです。誰だってあの人をきらいなものはありません。」
「けれどもあの花はまっ黒だよ。」
「いいえ、黒く見えるときもそれはあります。けれどもまるで燃えあがってまっ赤な時もあります。」
「はてな、お前たちの眼にはそんな工合に見えるのかい。」
「いいえ、お日さまの光の降る時なら誰にだってまっ赤に見えるだろうと思います。」
「そうそう。もうわかったよ。お前たちはいつでも花をすかして見るのだから。」
「そしてあの葉や茎だって立派でしょう。やわらかな銀の糸が植えてあるようでしょう。私たちの仲間では誰かが病気にかかったときはあの糸をほんのすこうし貰って来てしずかにからだをさすってやります。」
「そうかい。それで、結局、お前たちはうずのしゅげは大すきなんだろう。」
「そうです。」
「よろしい。さよなら。気をつけておいで。」
 この通りです。


花の下にアリはいないかなぁと探そうとする前に、シルバーグレイになったおきなぐさの上を歩き回っていました。
もうアリさんの餌になりそうな蜜や花粉はなさそうですよ。
アリとおきなぐさ

参加しています。もしよかったら1日1クリックお願いします
 にほんブログ村 写真ブログ 心象風景写真へ blogram投票ボタン CoRichブログランキング
posted by ブドリ at 22:23 | Comment(2) | TrackBack(0) | 小石川植物園 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
綿毛と言えば、何といってもタンポポですが、綿毛を作る植物って思いがけず多いですね。この花はまったく目にしたことがありませんでしたが・・・。
Posted by felizmundo at 2014年05月12日 22:57
felizmundoさん

おきなぐさはそこら辺では見かけない花ですね。
皇居東御苑にもありませんしね。
環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧U類です。
Posted by ブドリ at 2014年05月13日 22:58
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック