それでもまだまだ秋です。芸術の秋を楽しんでますか?
子どもたちの芸術といえばクレヨン。
今回の絵本・児童書(童話・児童小説)は使われたクレヨンのお話です
「ちいさな くれよん」
篠塚 かをり 作
安井 淡 絵
金の星社
折れて短くなった黄色いクレヨンはくずかごに捨てられてしまいました。
「まだ かけますよ。まだ きれいに ぬれますよ」
と、自分がまだまだ役に立つことを信じてくずかごを抜け出し、外の世界へ出て行きました。
洗われて色が薄くなった靴についているひよこの絵をきれいに塗ってあげます。
子供たちに使われなくなったおもちゃの自動車と出会い、自分の身を削ってきれいな黄色に塗ってあげます。
クレヨンは道端の木の影で休んでいると男の子に見つかりました。
でも男の子は「こんなちびか」と投げ捨ててしまいました。
それでもクレヨンは
「ぼく、ちびでもいろんなやくにたってうれしいよ。」
と石を黄色にぬってさらに小さくなって豆粒のようになってしまいました。
日が暮れて夜空に星が輝き出すと、黄色いクレヨンは光が弱い星をぬってあげようと空へと飛んで行きました。
この絵本を読んでお子さんはどのように感じるでしょう。
お父さん、お母さんはどのように感じるでしょう。
ものを大事にする心、人の役に立とうとする心、いろいろな心がこの絵本の中には存在すると思います。
宮沢賢治のグスコーブドリの伝記のように自己犠牲的だと感じるかもしれません。
でもそれははたして自己犠牲なのか。
このクレヨンも自己犠牲なのか。
そんなことを考えながら読めば読むほど奥が深い絵本です。
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この本は「銀河鉄道の月」の方で教えていただいた絵本ですよね。
その後じっくりと読んでみました。
いろいろと感じるところが多いなと感じるいい絵本です。
たくさんの子供達に読んでほしいですね。