今回は花が開いてからの秘密をお届けします。
キキョウの花は雌雄同花なんです。自家受粉もできるのですが、自家受粉には花粉の生産量が少なくても受粉の確実性が高いという利点があるのですが、有害遺伝子が生まれやすいという欠点もあります。そこで、自家受粉を避けるために雌雄異熟という手段を取っています。
雌雄異熟?ですよね。雄しべと雌しべを時期をずらして成熟させるんです。
桔梗の花は雄性先熟(雄しべが先に熟す)で、花が咲いた時は雄しべから花粉を出しているけど雌しべの柱頭が閉じた雄花期です。
雄花期の花に虫がたくさん集まってきて、花粉を集めて回ります。ちょうどハチがやって来ました。
花粉を出し続けていると次第に雄しべの1本1本がはっきりとし、雌しべから離れ始めます。
雄花期から雌花期への移行が始まりました。この時まだ、雌しべの柱頭は閉じています。
雄しべが雌しべから離れて開いた雄花期末期です。この頃、花粉の放出が最盛期を迎えます。
まだ、雌しべの柱頭は閉じています。
雄しべの花粉がなくなり、雄しべが枯れ始めると雌花期に突入。雌しべの柱頭が開き始めます。
実は花びら・雄しべ・雌しべともに5本が標準です。
雌しべが4本の桔梗の花見っけ!と撮影していたら、ちょうどハチかアブがやって来ました。
この頃でもまだ雄しべにわずかに残った花粉を求めて虫が飛び回り、体にくっつけてきた花粉が雌しべにくっついて受粉するというわけです。
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生き残りのために植物はいろいろな戦術をとっているんですね。
ところで、桔梗の花は環境省レッドデータブックで絶滅危惧U類(VU)・絶滅の危険が増大している種に登録されています。桔梗が生息しやすい平地などが開発されて減少しているため、自生種が減ってきているのです。
万葉の歌人はこの状況をどのように感じているのでしょうね。
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昔は秋に咲いていたのでしょうか?
自生しているキキョウなんて、とんと見たことありませんね・・・野草として元気があった頃は秋に花開いていたのかしら?
桔梗はなぜ秋の七草なのでしょうね。
朝貌と詠まれた植物とされるのは桔梗の他にヒルガオ、ムクゲなども考えられます。
ひょっとしたら特定の花を指さずに朝咲いてる花を総称していたのかもしれません。
それに、山上憶良の時代は今よりも平均気温が0.5度以上低かったようなので桔梗の花の咲く時期も今よりもうちょっと遅く、長かったかもしれませんしね。