2011年12月14日

満月から皆既月食、そして満月へ

今回は満月の状態から月が欠けていき皆既月食へ、そしてふたたび満月に戻るまでをお届けします。今回の記事は長いです。

前回の「月食と月光環」を見ていただけるとわかると思いますが、欠けていく最中は雲がひっきりなしに流れていくので月が明るくなったり暗くなったりと、シャッタースピードを替えて撮影しなければならず、カメラを触っていればピントも微妙にずれるので合わせ直したりとなかなか大変。
それでもなんとか撮影できましたよ。
今回の写真はトリミングして迫力のある月食をお届けします。

21:38 月食は21:45からの予定なので21:40から5分おきに撮影を始めればいいなと、それまでは前回おみせした月光環の撮影をしていたら、あれ?左下が暗くなってないか?とふと気が付きました。本影食に入る直前の半影食の影響で暗くなっています。
月食開始直前

21:45 月食の開始
半影食の部分と本影食の部分で影の濃さが違いますね。
月食開始

22:31 月食開始から45分後
もう既に半分以上欠けてます。この頃はまだ少し雲が流れている状態でしたが、この後は快晴になりました。
月食開始から45分後

23時ちょっと前、お酒を飲んで気分が良くなったおじさんが寄ってきて、
「何撮ってんの?皆既月食?知らなかったよ!じゃぁ、お伴するよ」
なんてことになって、近くに座られ、
「初めて見るよ。いなきゃ見ることはなかったよ。時々見られるの?」
なんて調子で20分ぐらいずっと話しかけられっぱなし。
三脚に固定した状態じゃ逃げられないし、一番注目の時なんだから集中させてくれよ〜と思いつつも下手なこと言って気分を害されて何かされても困るので、じっと我慢のひと時。

23:00 もうまもなく皆既月食。ピントがあってないじゃん!
いくら三脚に固定してるからって集中しないとダメなんだよ〜(;;)
いやいや、人のせいにしてはいけません。まだまだ未熟なんです。
23時の月食

23:06 皆既月食開始直後
もっと暗くなるかと思ったら意外と明るいんですね。
皆既月食開始直後

23:31 食の最大。この頃はおじさんもいなくなり静かに眺めていました。
食の最大

23:58 皆既月食終了です。
皆既月食終了

0:45 皆既月食終了から約45分後。欠けている部分も半分を切りました。
皆既月食終了から約45分後

1:18 月食終了
本影から抜けてもまだ半影食の状態なので暗い部分が残っています。
月食終了

1:30 半影食の濃い影も消え、半影食の中にあるとはいっても満月の状態に戻りました。
満月

皆既月食中の月の右下の方に地上付近から上へと進む流れ星を見たんです。
一緒に撮れればとも思いましたが、この方向には私が見ていた限りでは流れてくれませんでした。

月天子が欠けていく姿を見られるのが恥ずかしくて雲のショールで顔を隠そうとして、それでもたくさんの人が見守っていることに気づいて思い切って取ってくれたような夜。
おまけに流れ星まで見られるなんていい夜でした。


おまけ
月天子とは宮沢賢治の作品にしばしば登場する月の呼び方ですが、そのものズバリのものがあり、その中で月蝕を三回見たと書いていますので、ご紹介します。


『月天子』
                      宮澤賢治

私はこどものときから
いろいろな雑誌や新聞で
幾つもの月の写真を見た
その表面はでこぼこの火口で覆はれ
またそこに日が射していゐるのもはっきり見た
後そこがたいへんつめたいこと
空気がないことなども習った
また私は三度かそれの蝕を見た
地球の影がそこに映って
滑り去るのをはっきり見た
次にはそれがたぶんは地球をはなれたもので
最後に稲作の気候のことで知り合ひになった
盛岡測候所の私の友だちは
――ミリ径の小さな望遠鏡で
その天体を見せてくれた
亦その軌道や運動が
簡単な公式に従ふことを教へてくれた
しかもおゝ
わたくしがその天体を月天子と称しうやまふことに
遂に何等の障りもない
もしそれ人とは人のからだのことであると
さういふならば誤りであるやうに
さりとて人は
からだと心であるといふならば
これも誤りであるやうに
さりとて人は心であるといふならば
また誤りであるやうに
しかればわたくしが月を月天子と称するとも
これは単なる擬人でない


これは全集の「補遺詩篇T」に分類されています。生前に発表した作品ではありませんし、きちんとまとめられたものでもありません。
ですが、宮沢賢治の月を見つめる視点がよくわかるものだと思います。
私が宮沢賢治に惹かれ、月に惹かれるのもこんな所にあるのかもしれません。

次回は5分おきに撮影した月食の写真をいろいろと加工してみたものをお届けします。

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posted by ブドリ at 21:50 | Comment(2) | TrackBack(0) | .天体観測 月 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
よく頑張られましたね〜!! お月さまも記念写真が出来て、さぞ喜んでいることでしょう。

月天子、月天心、昔の人々の生活には欠かせなかった月をこころから敬う気持のあふれる言葉ですね。
Posted by 森のどんぐり屋 at 2011年12月15日 09:18
森のどんぐり屋さん

初のロングラン撮影でしたけど、たまにはこういうのもいいものですね。
お月様をこれだけじっくり眺めていたのもはじめてです。
いつも以上に月が神秘的に感じもしましたが、なぜか身近に感じられた夜でもありました。
月を敬う心を忘れてしまったことから、何かおかしくなっていたのかもしれませんが、この皆既月食は日本中で非常にたくさんの方が見られていたようなので、目を覚ます日が来るかもしれませんね。
Posted by ブドリ at 2011年12月16日 22:38
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