ホオノキ(朴木)属名 モクレン科モクレン属、学名 Magnolia obovata
名前のホオは苞の意味で大きな葉に食物を盛ったことに由来します。
ホオノキはとても大きな花が咲くのはご存知でしょうが、ホオノキの花は「雌性先熟性があって、開花後は雌性、翌日に雄性、さらに翌日には生殖機能を失う。」というのをご存知ですか?簡単にいうと雌の時期と雄の時期があるということです。
写真で紹介します。
まずは固い殻に割れ目が生じ、白い花が顔を出します。そして花が開き始めます。
カーソルを乗せて、くりっくしてご覧ください。
花が一番最初に開いた直後がこの写真です。あまり大きく開かずおちょぼ口なんです。
ホオノキの花の1日目は雌性(しせい)期、つまり雌花としての花の役割をします。雄しべの方はかたく閉じていて、雄花としての機能は働きません
先端の紫色の反り返っているものが雌しべです。この時花弁の色はきれいな白です。
虫が花の香りに誘われて雌しべにやってきます。
1日目の雌性(しせい)期が過ぎると、夕方から夜にかけて花が閉じます。実はこの夕方には両性具有状態。雌性(ゆうせい)期でもあり、雄性期でもあるんです。
そして2日目、晴れていれば花が開きます。
このときは、多数の雄しべが張り出し、花粉を旺盛に出しはじめます。雄性(ゆうせい)期の雌しべはぴったりと軸にくっついていて、雌花としての機能はしません。
雄性期が終わるとまた花が閉じます。そして翌日以降、大きく開きます。そして、雄しべがボロボロっと落ちていき、花びらと軸だけが残ります。徐々に花弁の色は黄色くなっていき、散っていきます。
このように花が移り変わるのに3〜4日。天気が悪かったりすると8日ぐらいかかるそうです。
このように工夫を凝らしてもホオノキの自家受粉率は、5割から7割になるといわれています。蜜がないので、蜜を求めて飛び回る蜂などがよりつかず、花粉を食べるだけの虫が寄ってくるので、花粉を雄しべから別の花の雌しべへと運ぶ確率が低く、自家受粉してしまう可能性が高いようです。
動かぬ木がどのようにして生態を身につけるのか、ほんとに不思議です。
自然の奥深さに驚くばかりです。
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