2017年03月11日

絵本「寓話 洞熊学校を卒業した三人」宮沢賢治

卒業の時期なので卒業に関する本を考えたのですが、なかなかパッとしたものがなかったので、今回も宮沢賢治の童話からお届けします。


「寓話 洞熊学校を卒業した三人」
宮沢賢治 作
大島妙子 絵
三起商行(ミキハウス)

赤い手の長い蜘蛛と、銀いろのなめくじと、顔を洗ったことのない狸が、いっしょに洞熊学校にはいりました。
洞熊先生の教へることは三つでした。(とあるのですが、童話中には2つだけしか出てきません)
洞熊先生の教えとは、一つは「うさぎと亀のかけくらのこと」であり、もう一つは「大きいものがいちばん立派だといふこと」、残りの一つはさてなんでしょう。
それぞれが一番になったりしながら学校そ卒業してからがこの童話のおはなし。
洞熊学校で学んだ精神を忘れずに、それ、一番になろうと考えます。

 一、蜘蛛はどうしたか。
 二、銀色のなめくぢはどうしたか。
 三、顔を洗はない狸。

それぞれが大きくなって欲や名誉を手に入れようとするのですが・・・
それぞれの生き様というのか運命というのかが描かれています。
そして、三人の横で碧い眼をした蜂たちは一つ一つの小さな桃色の花から密や香料をもらったり、花粉を他の花のところに運んだり、せっせと実直に働いていたのでした。

今の学校もこんな感じなのではないですかね。
推敲前の原稿では、洞熊校長が
「一つは世の中はみんな競争である。も一つは、だからもう何でもほかの人を通りこしておいくえらくならなければならん。も一つは大きいものがいちばん立派だ。」
と言っているそうです。
これは賢治が嫌っている価値観で、成績を上げることに一生懸命で、大事なことが抜け落ちている文科省の教育指針のように思えます。
福島から避難している子どもたちへのいじめがいい例でしょう。
一番になるために努力することは大事なことですけど、忘れてはならないこともたくさんあるのではないか。
この絵本はまずは親に読んでもらい、その後で子供に読ませ、一緒に語り合ってもらいたいそんな童話です。

参加しています。もしよかったらポチッとお願いします
 にほんブログ村 写真ブログ 心象風景写真へ blogram投票ボタン

posted by ブドリ at 20:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | .絵本・児童書 宮沢賢治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする